《十一月七日》木賊刈るメトロノームの狂ひかな

最近ずっと疲れている気がして運動すれば少しはましになるかと思い、歩きに出た。ところが歩いても元気にならずついにダウン。一日中寝てしまった。目が覚めてふと思う。疲れの原因はもしや「歩きすぎ」ではないかと。毎日一時間の武術とヨガにくわえて五キロの散歩。武術は何があっても休まない。具合が悪ければ悪いほど運動してしまうという性格がよくないのかもしれない。

著者略歴

小津夜景(おづ・やけい)

1973北海道生まれ。句集に『フワラーズ・カンフー』(第8回田中裕明賞)、『花と夜盗』。エッセイ集に『カモメの日の読書』『いつかたこぶねになる日』『ロゴスと巻貝』。そのほか、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者須藤岳史との往復書簡『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』。現在『すばる』で「空耳放浪記」連載中。

(ヘッダー写真:小津夜景)

 

無断転載・複製禁止

バックナンバー

  • 11月7日:木賊刈るメトロノームの狂ひかな
  • 11月6日:金の罅もつゐのししが泣いてゐる
  • 11月5日:夜の鞍星のにおいがまだ残る
  • 11月4日:鳥兜むらさきの雨ねぢれ降る
  • 11月3日:山葡萄くすりともせず熟れにけり
  • 11月2日:鰡の群れ太鼓の胴を泳ぎゆく
  • 11月1日:秋の象うすうくうすうく風を舐め

俳句結社紹介

Twitter