《二月一日》名物がおでんなりとや町淋し

はじめての街に行ってただ散歩する。最近では宮城県の石巻市、愛媛県の伊予市をうろついた。猫の写真をとり、昼食に食堂に入るだけで楽しい。伊予市の「濱田屋」さんでは、なべ焼きとミニかつ丼を食べた。
昭和十年二月一日の虚子句日記は「家庭俳句会。日比谷公園」。「狆抱いて下してもやる枯木中」の中七にハッとした。歩きたがる犬を、わかったわかったと言って地べたに下ろす飼い主の姿が彷彿とする。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 2月7日:春や鯉おほきな鱗見えて過ぐ
  • 2月6日:日の暮は日々夕茜草萌ゆる
  • 2月5日:雪解や撞くがままなる寺の鐘
  • 2月4日:白々と枯れたるものや寒明くる
  • 2月3日:出口より出てゆく鬼や豆を撒く
  • 2月2日:大根を箱根の山に干しにけり
  • 2月1日:名物がおでんなりとや町淋し

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