《三月一日》吾がための余寒の土筆摘みにけり

前日に続き、学生さんたちと合宿。吟行、句会。過去には伊豆、大島、房総など暖かい所に行ったり、水上温泉や山中湖など寒い所に行ったり。寒いのは苦手だが、大学生が合宿に誘ってくれるのは老人冥利だ。
昭和十一年三月一日の虚子句日記は「南支那海航行」とあって「甲板をよろめき歩りき籐椅子に」。箱根丸に乗って欧州へ向かう洋上、揺れる甲板を虚子が歩いている。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

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  • 3月10日:誰の絵に似て雲映る春の海
  • 3月9日:寄居虫の王道楽土わが前に
  • 3月8日:顔を吹く春風船具など鬻ぎ
  • 3月7日:沈みたる椿の花の上に蝌蚪
  • 3月6日:物干して港に住めるシヤボン玉
  • 3月5日:会館を駆くるモツプや風光る
  • 3月4日:猫にもの問ふもせんなし梅の花
  • 3月3日:すいと出でて何の茎立かと思ふ
  • 3月2日:腹減らぬままにもの食ふ春の雲
  • 3月1日:吾がための余寒の土筆摘みにけり

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