《九月二十日(金)》 冷や汁に茗荷たつぷりと散らしたりしばし母であることを忘れる
長崎にいる息子は、七時前には夕食を済ませて自由時間、お風呂、自習、十時に就寝という日課。朝は六時前に起きるという。週に一度くらいは親に電話をするように言われているらしいが、まったくかかってこない。離れていても、学校からの連絡はすべてアプリを通して来るので、配布物や模試の成績も見落としたりなくしたりする心配がなく、整理の悪い私も助かっている。
著者略歴
大口玲子(おおぐち・りょうこ)
1969年東京都大田区生まれ。宮城県仙台市、石巻市を経て、現在は宮崎県宮崎市在住。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第四十四回角川短歌賞受賞。
歌集に『海量』、『東北』、『ひたかみ』、『トリサンナイタ』、『桜の木にのぼる人』、『ザベリオ』、『自由』、歌文集に『セレクション歌人5 大口玲子集』『神のパズル』がある。「心の花」会員。宮崎日日新聞「宮日文芸」短歌欄選者。牧水・短歌甲子園審査員。
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