《六月八日》サイダーを注ぎ分けてただ老いてゆく

武良武彦『石牟礼道子 たましいを浄化する文学』を読む。
昭和五年六月八日の虚子句日記は「橙黄子招宴。宇佐美にて」「移り来て人住みにけり青すだれ」。「移り来て人住みにけり」という平坦な叙述を通して景が見えてくる。「縁にある忘れ扇をふまんとす」。些事を些事として詠む。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 6月8日:サイダーを注ぎ分けてただ老いてゆく
  • 6月7日:海見ゆる窓にいくつも蝸牛
  • 6月6日:まづしげな氷河の絵ありソーダ水
  • 6月5日:二の腕の蠅こそばゆき昼寝かな
  • 6月4日:脚三つ持てる大きな扇風機
  • 6月3日:花屋の薔薇八百屋のバナナ大西日
  • 6月2日:押し来るや頭分厚き黄金虫
  • 6月1日:よき稚児や木魚大きく涼しげに

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