〈青麥や沙翁は遠き國のひと〉が句会に出たとき、裕明は自句の説明として「沙翁はシェークスピアです」と答えていた。
思い出したのが、小学校四年生の時のこと。担任の先生が突然「ハムレット」を読み聞かせしてくれた。最初は面白くなかったがだんだん引きこまれ、仕舞には待ち遠しくなった。シェークスピアの作品を小学生の中学年に読み聞かせをすることに驚く。素晴らしい教師との出会いだった。
●季語=青麦(春)
著者略歴
山口昭男(やまぐち・あきお)
1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。
「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞)
『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員
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