裕明の添削にはよく「これだと驚きません」と言う言葉が使われていた。例えば
〈夕風のときに鋭き代田かな 昭男〉という句に対して「『ときに○○○』という表現をよく見ますので、よっぽどでないと驚きません」また別の句に対しては「このあたりの取合わせは驚かされません」と。
なるほど、裕明を驚かさないといけないのかとつくづく思った。
●季語=夏(夏)
著者略歴
山口昭男(やまぐち・あきお)
1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。
「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞)
『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員
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