水月伝2024.5.9

 

 

大井恒行句集『水月伝(すいげつでん)』

 

 

 

A5判ソフトカバー装 140頁 二句組。
著者の大井恒行(おおい・つねゆき)さんは、1948年山口県生まれ、「豈」「ことごと句」同人。本句集の略歴には記さてないが1999年にふらんす堂より刊行された『現代俳句文庫49大井恒行句集』によれば、高校3年生のときに地元の新聞への投句をしたことを契機に俳句をはじめる。1970年関西学生俳句連盟による「関俳連句集」創刊に参加、赤尾兜子主宰「渦」に投句、「俳句評論」句会に出席、澤好摩、横山康夫などを知る。久保澄夫等と俳句同人誌「獣園」に参加、その後一時句作を中断。1975年、坪内稔典編集「現代俳句」創刊号への執筆を機に再開。「黄金海岸」大本義幸により摂津幸彦、藤原月彦、長岡裕一郎等に会う。1979年「未定」創刊に参加。1980年「豈」創刊に参加。1988年から5年間を「俳句空間」編集人。「豈」は発行人の一人である。句集に『秋ノ詩(うた)』『風の銀漢』がある。本句集は4冊めの句集となる。

 

 

 

本句集は、夫人の救仁郷由美子さんと大泉史世さんに捧げられたものである。
この本の装釘は、和兎さん。
ラフの段階では、装画のはいったカッコいいものも用意したのだが、大井恒行さんは、いっさいの装画などはなしで文字のみでシンプルにいきたいというのが強い希望だった。

 

 

 

 

 

文字のみの装釘となった。

 

帯も不用。
A5判の大きさは、前句集『風の銀漢』にならったものだ。
やや細目である。

 

 

 

落ち着いたブルーの用紙に
タイトルと名前は白箔。
この白箔が要である。
この装釘の全てを語っているといってもいい。

 

 

 

 

 

 

どちらも美しく押されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

表紙は風合いのあるもの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本文は天地をそろえず、ぶら下がりで。

 

 

 

 

 

(ふらんす堂「編集日記」2024/5/2より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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