《九月十九日》子規の忌の赤蒟蒻を喰らひけり

何故か子規忌の句をよく作っている。「ゆう」に入会してからだったように思う。「秋草歳時記第一巻」には七句もある。子規についてよく知っているかと言えば、首を横にふらざるを得ない。これから少しずつ近づいていくこともよいかも知れない。

●季語=子規忌(秋)

著者略歴

山口昭男(やまぐち・あきお)

1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。 「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞) 『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員

 

 

 

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バックナンバー

  • 9月20日:伐り竹を担ぐや前方よく揺るる
  • 9月19日:子規の忌の赤蒟蒻を喰らひけり
  • 9月18日:途切れては畦途切れては曼珠沙華
  • 9月17日:宵闇にふと誘はれてゐるやうな
  • 9月16日:フラスコの中へ月光入れてやる
  • 9月15日:恋人は蓑虫つつくばかりかな
  • 9月14日:邯鄲のひたむきすぎる顔であり
  • 9月13日:脇息の派手な紋様鉦叩
  • 9月12日:離れては虫売虫を見てゐたり
  • 9月11日:砂利を掃く熊手の音や萩の花
  • 9月10日:露けしや白を塗り足す白き船
  • 9月9日:脱ぐやうに流るる水や葛の花
  • 9月8日:金網をめつたやたらと押して葛
  • 9月7日:仮名文字のくづれの読めぬ葉鶏頭
  • 9月6日:メルヘンの如くに芒の穂ひらく
  • 9月5日:思ふより太きストロー秋の蝶
  • 9月4日:測量士声をもたずに入る花野
  • 9月3日:腕の虫弾きとばせし夜食かな
  • 9月2日:今日ことに土間のうるめる俵編
  • 9月1日:糊強きシーツをはがす野分かな

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