《十一月二十一日(木)》首筋に冬が来てゐて今日母が抱きしめた犬の鼓動を思ふ
空きが出たとのことで母は急遽リハビリ病院に転院した。カトリック教会が運営している社会福祉法人で、動物介在活動といって月に一度、エモーショナルサポートドッグ(心療介助犬)が来て触れ合うことができるらしい。母が入院した翌日がちょうど犬が来る日で、早速体験できそうと妹から連絡があった。
著者略歴
大口玲子(おおぐち・りょうこ)
1969年東京都大田区生まれ。宮城県仙台市、石巻市を経て、現在は宮崎県宮崎市在住。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第四十四回角川短歌賞受賞。
歌集に『海量』、『東北』、『ひたかみ』、『トリサンナイタ』、『桜の木にのぼる人』、『ザベリオ』、『自由』、歌文集に『セレクション歌人5 大口玲子集』『神のパズル』がある。「心の花」会員。宮崎日日新聞「宮日文芸」短歌欄選者。牧水・短歌甲子園審査員。
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