《十一月二十六日(火)》あくがれを生きたし海のきらめきの揺れをみづからの心にうつす
息子の堅信式のため、長崎へ。教会における成人式のような意味を持つ大切な儀式。中村倫明大司教の主司式により長崎南地区の堅信式が中町教会で行われ、夫と共に見届ける。翌日は、息子の代父となってくれた若山治憲さんも一緒に三人で遠藤周作文学館を見学、出津教会を訪ね、外海の海を見る。四年前に帰天された浜口末男司教様の実家はあそこですよ、と出津教会の信者さんが遠くに見える集落を指さして教えてくれた。
著者略歴
大口玲子(おおぐち・りょうこ)
1969年東京都大田区生まれ。宮城県仙台市、石巻市を経て、現在は宮崎県宮崎市在住。1998年、「ナショナリズムの夕立」で第四十四回角川短歌賞受賞。
歌集に『海量』、『東北』、『ひたかみ』、『トリサンナイタ』、『桜の木にのぼる人』、『ザベリオ』、『自由』、歌文集に『セレクション歌人5 大口玲子集』『神のパズル』がある。「心の花」会員。宮崎日日新聞「宮日文芸」短歌欄選者。牧水・短歌甲子園審査員。
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