
《六月二十九日》しんしんと夏の泡また泡となる
本を閉じたあとの数分がいちばん落ち着かない。読んでいた内容が頭に残っているのか、残っていないのかもはっきりしない。でも何かが、自分の中で位置を変えている感じがする。たぶん、読んだものをそのまま棚に戻すのではなくて、一度、自分の中で壊して、それをどこかにしまいなおすような作業なんだろう。そして、その破片は完全には片づかない。自分の中に漂いつづける。
無断転載・複製禁止
本を閉じたあとの数分がいちばん落ち着かない。読んでいた内容が頭に残っているのか、残っていないのかもはっきりしない。でも何かが、自分の中で位置を変えている感じがする。たぶん、読んだものをそのまま棚に戻すのではなくて、一度、自分の中で壊して、それをどこかにしまいなおすような作業なんだろう。そして、その破片は完全には片づかない。自分の中に漂いつづける。
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