《七月二十四日》夕立や見知らぬ駅に我が影も
たまにピアノの話を書くせいか、「ふだん何を弾いてるんですか」と聞かれることがある。
いちばんよく弾くのは、ブルグミュラー２５の練習曲。
ななつのころから、もうずっと弾いている。
大人が弾いたっていいじゃん、と思いながら、今日も弾いた。
ピアノ系ユーチューバーがよく弾いているような曲も、ちょっとだけ鳴らす。
丸の内サディスティックとか。あのへんの曲。
著者略歴
１９７３北海道生まれ。句集に『フワラーズ・カンフー』（第８回田中裕明賞）、『花と夜盗』。エッセイ集に『カモメの日の読書』『いつかたこぶねになる日』『ロゴスと巻貝』。そのほか、ヴィオラ・ダ・ガンバ奏者須藤岳史との往復書簡『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』。現在『すばる』で「空耳放浪記」連載中。
（ヘッダー写真：小津夜景）
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