
《十二月二十一日》月といふ名のみ流れて凍る家
月といえば思い出すのが菅原道真だ。讃岐に赴任していたころ、あまりに月がきれいで嬉しくなって、大きな声で歌いながら歩いていたら、家の中から「うるさい!」と怒鳴られたという。そこで道真は「あ、この土地の人たちは月を見上げて歌わないんだ」と驚きつつも悟る。つまり月に反応する文化的プロトコル自体が共有されていない、と。よくある話。世界という書物を読むとはこういうことだ。
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月といえば思い出すのが菅原道真だ。讃岐に赴任していたころ、あまりに月がきれいで嬉しくなって、大きな声で歌いながら歩いていたら、家の中から「うるさい!」と怒鳴られたという。そこで道真は「あ、この土地の人たちは月を見上げて歌わないんだ」と驚きつつも悟る。つまり月に反応する文化的プロトコル自体が共有されていない、と。よくある話。世界という書物を読むとはこういうことだ。
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