
《一月一日》初東風や車掌と車掌一礼す
初詣。三十分ほどかけて歩いてゆく。朝寝をし、日たけて春のような心地。
昭和九年の虚子句日記に「一月一日。旭川来。子供孫等と鶴ケ丘八幡宮に初詣」とあり、「夕ぐれもまだつゞきをる初詣」などの句が記されている。
旭川は俳人の皿井旭川か。子や孫の来訪を待って初詣に出かけたのだろう。汀子さんや椿さんたちが幼女の時代だ。日が傾いても八幡宮は賑わっている。「夕ぐれもまだつゞきをる」という、緩い気分がうれしい。
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初詣。三十分ほどかけて歩いてゆく。朝寝をし、日たけて春のような心地。
昭和九年の虚子句日記に「一月一日。旭川来。子供孫等と鶴ケ丘八幡宮に初詣」とあり、「夕ぐれもまだつゞきをる初詣」などの句が記されている。
旭川は俳人の皿井旭川か。子や孫の来訪を待って初詣に出かけたのだろう。汀子さんや椿さんたちが幼女の時代だ。日が傾いても八幡宮は賑わっている。「夕ぐれもまだつゞきをる」という、緩い気分がうれしい。

著者略歴
1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。
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