《一月七日》見下ろせばそそり立ちをり霜柱

大根や菜っ葉のたぐいを入れた自称「七草粥」を食す。すぐに腹が減る。
昭和二十八年一月七日の虚子句日記には「悪の利く人利かぬ人などと杞陽の申し来れるに」とあり、「悪なれば色悪よけれ老の春」とある。「悪なれば」と「悪ならば」はどう違うのだろうか。自分が悪党だと思っていない人は「悪ならば」と書くはず。「初空や大悪人虚子の頭上に」と詠んで「悪人」を自称した虚子の句だから「悪なれば」でよいのだ。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

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  • 1月4日:福笑ピカソの女とも違ふ
  • 1月3日:正月や映画に泣いて愚かなる
  • 1月2日:読初や在五業平愚かなる
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