《十一月七日》鯛焼や折しも夜風あたたかに

九品仏に参拝し、句をつくり、句会に出席する。
昭和八年十一月七日の虚子句日記は「おほさき会。発行所」「大原の子は遊びをる時雨かな」。時雨慣れした大原の子は平気で遊んでいる。この句では何をして遊んでいるかに意味はない。ただ漠然と遊んでいればよい。「遊びをる」の「をる」は西日本風の物言い。「大原」には「遊びゐる」より「遊びをる」がしっくり来る。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 11月7日:鯛焼や折しも夜風あたたかに
  • 11月6日:行く秋やものの匂ひの資料館
  • 11月5日:末枯や苔うすうすと広々と
  • 11月4日:初鴨にすつぽん顔を出してをり
  • 11月3日:街道や甚だ柚子の煤けたる
  • 11月2日:赤黒く柿の実枝に擦れをり
  • 11月1日:刈り倒す秋の薊の絮がとぶ

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ふらんす堂編集日記