《十一月八日》悲しげに暖房にシヤツはだけたる

地元町内会の活動として、防災資材点検を行う。
昭和八年十一月八日の虚子句日記は「鳴子会。富士見町、櫻間邸」「山路を下りて刈田を横ぎりぬ」「影法師刈田に沈み畔にうき」。一句目が好きだ。山路を下りて来たところが刈田になっている。「横ぎりぬ」というくらいだからさほど広い田んぼではない。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

無断転載・複製禁止

バックナンバー

  • 11月8日:悲しげに暖房にシヤツはだけたる
  • 11月7日:鯛焼や折しも夜風あたたかに
  • 11月6日:行く秋やものの匂ひの資料館
  • 11月5日:末枯や苔うすうすと広々と
  • 11月4日:初鴨にすつぽん顔を出してをり
  • 11月3日:街道や甚だ柚子の煤けたる
  • 11月2日:赤黒く柿の実枝に擦れをり
  • 11月1日:刈り倒す秋の薊の絮がとぶ

俳句結社紹介

ふらんす堂編集日記