
《六月十七日》額縁を出でしごとくに桐の花
「ねえこの本、持ってると、手のなかで重さがじわじわ変わっていくのだけど、それってほんとに、本のほうが変わっているのか、それとも、そう感じてしまうわたしが、なんか、変わってしまったのかな。なんだろうね、これ」
聞いた直後、自分が訊いたのは出来事の有無ではなく、意味の所在だったと気づいた。それが、mizukには伝わったようだった。
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「ねえこの本、持ってると、手のなかで重さがじわじわ変わっていくのだけど、それってほんとに、本のほうが変わっているのか、それとも、そう感じてしまうわたしが、なんか、変わってしまったのかな。なんだろうね、これ」
聞いた直後、自分が訊いたのは出来事の有無ではなく、意味の所在だったと気づいた。それが、mizukには伝わったようだった。
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