《八月十一日》桔梗の高々として旱かな

金原亭馬治師匠の落語会にゆく。
昭和二十一年八月十一日の虚子句日記は「稽古会、第三日」。「片頬に刄の如き秋日かな」「烈日の下に不思議の露を見し」「青けれど大きなトマト炎天下」「もろこしに先づ秋風の渡る音」と、気力の籠った句が並ぶ。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 8月11日:桔梗の高々として旱かな
  • 8月10日:広々と硝子障子や秋の蝶
  • 8月9日:遠くしづかに法師蟬鉦叩
  • 8月8日:麺麭食うて頬ふくらます夜食かな
  • 8月7日:秋の日の香水はやや甘き香に
  • 8月6日:夕空の暗さを蠅の眼かな
  • 8月5日:この町の朝の片陰登庁す
  • 8月4日:日盛や土に影して軒簾
  • 8月3日:雲うすうす避暑の子どもら匙つかふ
  • 8月2日:終点の町や頭上の雲の峰
  • 8月1日:橋をゆく日除下げたる冷房車

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