一九九四年の「洛」九月号の課題作品での裕明のコメント。課題季語は「木槿」。
――眼前の木槿というだけでなく回想の中の花あるいは古来歌にもよまれたような花として一句に成せれば上々。季語には眼前のものとイメージと二たとおりありましょう――
裕明はいつもこの二通りから俳句を作り上げていたということだろう。
●季語=宵闇(秋)
著者略歴
山口昭男(やまぐち・あきお)
1955年兵庫県生まれ。波多野爽波、田中裕明に師事。
「秋草」主宰。句集に『書信』『讀本』『木簡』(第69回読売文学賞)
『礫』、著書に『言葉の力を鍛える俳句の授業―ワンランク上の俳句を目指して』『シリーズ自句自解Ⅱ ベスト100 山口昭男』『波多野爽波の百句』がある。日本文藝家協会会員
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