
《二月一日》泡の手につつむ淡菜の二、三片
空を漂う文字は、かつて時の流れのあてどなさそのものだった。気がつくと浮かんでいて、きままに流れ、知らぬまに消えていくもの。でも今は違う。あの塔が管理して、どこからどこへいくのか、ぜんぶ計算されているという。漁師たちでさえ、それを頼りに漁をしているくらいに。でも、わたしは昔ながらのやり方でやる。網と勘だけで狙うんだ。時間が管理できるだなんて、そんなの、嘘だと思うから。
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空を漂う文字は、かつて時の流れのあてどなさそのものだった。気がつくと浮かんでいて、きままに流れ、知らぬまに消えていくもの。でも今は違う。あの塔が管理して、どこからどこへいくのか、ぜんぶ計算されているという。漁師たちでさえ、それを頼りに漁をしているくらいに。でも、わたしは昔ながらのやり方でやる。網と勘だけで狙うんだ。時間が管理できるだなんて、そんなの、嘘だと思うから。
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