
《六月二十二日》香を積みてふいに沈めり朴の花
mizukのページをめくる。しんと静まる。冷蔵庫のコンプレッサーが停止した直後の、機械が息を止めるような感覚に似ている。静けさというより、音が出なくなる条件が揃ったという感じだ。何も書かれていないページを凝視しすぎて、目がかゆくなりそうだった。埃がひとつ、空中から落ちてきた。まるでそこが自分の寝床だとでも思っているみたいに、まっすぐ落ちてきた。
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mizukのページをめくる。しんと静まる。冷蔵庫のコンプレッサーが停止した直後の、機械が息を止めるような感覚に似ている。静けさというより、音が出なくなる条件が揃ったという感じだ。何も書かれていないページを凝視しすぎて、目がかゆくなりそうだった。埃がひとつ、空中から落ちてきた。まるでそこが自分の寝床だとでも思っているみたいに、まっすぐ落ちてきた。
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