
《六月二十四日》短夜のシンセひと鳴きして黙る
──この街には、名前の重力が抜け落ちた駅があります。
「名前が……抜けた?」
自分はいま、誰と話しているのだろうと思った。というより、この会話は本当に会話と呼んでいいのか、ということが急に気になった。もしかして、思考の一部が独立して、向こう側にまわっているのだろうか。
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──この街には、名前の重力が抜け落ちた駅があります。
「名前が……抜けた?」
自分はいま、誰と話しているのだろうと思った。というより、この会話は本当に会話と呼んでいいのか、ということが急に気になった。もしかして、思考の一部が独立して、向こう側にまわっているのだろうか。
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