《二月十五日》こときれし鼻の孔ある涅槃かな

最近では須磨寺の涅槃会が印象に残る。阪神電鉄の須磨寺駅で下車し、志らはま鮨で穴子寿司や巻寿司を食べた。
昭和二十年二月十五日の虚子句日記は「年尾長女中子興健女子専門学校に入学の志望あり試験を受く」とあって「春潮にたとひ艪櫂は重くとも」。孫の中子さん(「花鳥」前主宰。坊城俊樹さんのご母堂)を励ますため、虚子は本気で句を詠んだ。中子さんは「興健」(聖路加)に合格し、看護士のキャリアを全うされた。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 2月15日:こときれし鼻の孔ある涅槃かな
  • 2月14日:梅散るや中はがらんと古き家
  • 2月13日:シヤーロツクホームズ春の土を嗅ぐ
  • 2月12日:春宵や酒のまぬ子に甘き豆
  • 2月11日:風に人よろめく春の鳶かな
  • 2月10日:草の餅柔らかさうに重さうに
  • 2月9日:梅折つて挿してダンボールに暮らす
  • 2月8日:富士聳え春の光が枯草に
  • 2月7日:春や鯉おほきな鱗見えて過ぐ
  • 2月6日:日の暮は日々夕茜草萌ゆる
  • 2月5日:雪解や撞くがままなる寺の鐘
  • 2月4日:白々と枯れたるものや寒明くる
  • 2月3日:出口より出てゆく鬼や豆を撒く
  • 2月2日:大根を箱根の山に干しにけり
  • 2月1日:名物がおでんなりとや町淋し

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