有住洋子句集『夜は九夜 日は十日(よるはここのよ ひはとおか)』

A5判正寸フランス製本カバー装帯有り 204頁 2句組
有住洋子(ありすみ・ようこ)さんの3番目の句集となるが、新しい作品のみを収録しているものではない。全体は2章にわかれ、1章は新句集として新しい作品を収録、2章は、
第1句集『残像』 第2句集『景色』より抄出された作品を収録している。さらに、1章、2章にも、短文がちりばめられており俳句と感応しつつある気配をたちあがらせている。そしてその短文は、
散文集『陸の東、月の西』よりの抄出である。著者によって編集された句と散文がおりなす壮大なポエジーの世界ともいうべきものを現出させているのである。
本句集の装幀は、三橋光太郎さん。

存在感のある一冊となった。






漆喰の壁面にドライフラワーが置かれているのだが、三橋さんに伺ったところによると、この漆喰をご自身で作ってドライフラワーを買ってきて、それを漆喰の上にのせて写真に撮ったものを図版にしたのだということ。
この句集のためのまったくのオリジナルな意匠である。
装幀のためにこの一冊に投入されたたくさんの時間をわたしは思ってしまった。




表紙はフランス装。

扉。
これもドライフラワーを写真に撮ったもの。

本文も二色刷りで、押さえた華やかさがある。

本文レイアウトも三橋さんによるもの。
ところどころに置かれた散文の効果もあって、物語性にみちた一冊となった。

(ふらんす堂「編集日記」2026/1/28より抜粋/Yamaoka Kimiko)