《二月十九日》薄氷のとぎれとぎれや木の葉浮く

暦本純一『妄想する頭 思考する手 想像を超えるアイデアのつくり方』を読む。
昭和七年二月十九日の虚子句日記は「家庭俳句会。京成電車江戸川駅下車、江戸川べり吟行」。句は「波間にも見えてゐるなり蘆の角」。翌年も同じ日に「発行所例会。丸ビル集会室」で「大いなる浚渫船や蘆の角」と詠んでいる。前年の吟行を思い出して再度「蘆の角」を詠んだのだろうか。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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  • 2月19日:薄氷のとぎれとぎれや木の葉浮く
  • 2月18日:うたかたの影ある石や春の水
  • 2月17日:草萌や常の如くに海と崖
  • 2月16日:春の雪白き碍子につきて消ゆ
  • 2月15日:こときれし鼻の孔ある涅槃かな
  • 2月14日:梅散るや中はがらんと古き家
  • 2月13日:シヤーロツクホームズ春の土を嗅ぐ
  • 2月12日:春宵や酒のまぬ子に甘き豆
  • 2月11日:風に人よろめく春の鳶かな
  • 2月10日:草の餅柔らかさうに重さうに
  • 2月9日:梅折つて挿してダンボールに暮らす
  • 2月8日:富士聳え春の光が枯草に
  • 2月7日:春や鯉おほきな鱗見えて過ぐ
  • 2月6日:日の暮は日々夕茜草萌ゆる
  • 2月5日:雪解や撞くがままなる寺の鐘
  • 2月4日:白々と枯れたるものや寒明くる
  • 2月3日:出口より出てゆく鬼や豆を撒く
  • 2月2日:大根を箱根の山に干しにけり
  • 2月1日:名物がおでんなりとや町淋し

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