《四月二十二日》シャボン玉やがてチューリップに当る

町田のNHK文化センターの月例の講座に出講。このような講座では、プロ的な俳人が決して作らないような素朴な秀作に出会うことがある。
昭和十八年四月二十二日の虚子句日記は「丸之内倶楽部俳句会」「寵愛の仔猫の鈴の鳴り通し」。「寵愛」という言葉にすこし突き放した感じがある。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

無断転載・複製禁止

バックナンバー

  • 4月22日:シャボン玉やがてチューリップに当る
  • 4月21日:藤の房処々に廃屋ただ茂り
  • 4月20日:ぬつと立つ梅の幹あり春の蕗
  • 4月19日:見えて飛ぶ燕はるかや港町
  • 4月18日:首だけの人を描くや春深し
  • 4月17日:藤垂れてことごとく雲つながれる
  • 4月16日:大き魚見ゆる港の春潮に
  • 4月15日:囀に墓石熱くなりにけり
  • 4月14日:笑ふ子の顎を唾液や春の風
  • 4月13日:花に風蝶々土とすれすれに
  • 4月12日:亀遠く浮かんでゐたり蟇つるむ
  • 4月11日:山墓や花に卒塔婆のそそり立ち
  • 4月10日:遠くより見ゆる甘茶の柄杓の柄
  • 4月9日:毘沙門がご本尊なる甘茶仏
  • 4月8日:虚子の忌のおたまじやくしに松の影
  • 4月7日:回る犬止まり糞まり春の暮
  • 4月6日:風車筆立にあり風が来る
  • 4月5日:行く馬が映るぬかるみ春の暮
  • 4月4日:雲を描き寄生木を描き鳥の巣も
  • 4月3日:ポスターの顔に雨粒諸葛菜
  • 4月2日:海澄んでをり陽炎に岸の草
  • 4月1日:うら若く春宵の金かぞへをり

俳句結社紹介

Twitter