《五月五日》遠き木の古巣見えたり雲まれに

ある日の善光寺門前。カフェを兼ねたお茶屋さんに入り、抹茶のケーキを食す。漫才コンビのカミナリがその店の抹茶どら焼きを食べている写真が貼ってあった。
昭和五年五月五日の虚子句日記は「品川寺の梵鐘、亜米利加に渡りゐたりしもの久しぶりにて寺に帰る。其鐘供養あり」「山伏は貝を吹くなり鐘供養」。このおとぼけぶりは「山辺の赤人が好き人丸忌」と同じだ。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 5月5日:遠き木の古巣見えたり雲まれに
  • 5月4日:鐘鳴つて五時は明るき接木かな
  • 5月3日:石鹸玉ごみ食ふ鳩に幸あれと
  • 5月2日:鉄の柵錆びてぐらぐら百千鳥
  • 5月1日:素甘あり桜餅より大いなる

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