《六月二十六日》晩学の窓辺行々子が聞こえ

地元町内会の句会にお師匠さんとして参加。お題は「蟻」。
昭和十七年六月二十六日の虚子句日記は「鎌倉俳句会。鶴ヶ岡八幡宮社務所」。「昼顔の花もとび散る籬を刈る」。愚直に「写生」をしている虚子先生。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 6月26日:晩学の窓辺行々子が聞こえ
  • 6月25日:壁に居る蜘蛛に名を付け梅雨籠
  • 6月24日:朽ちながらつながる梅雨の落葉かな
  • 6月23日:何か呑んで青葉の色の蛇かなし
  • 6月22日:避暑の子の蝙蝠を見る橋の上
  • 6月21日:ゆふがたの六時や雲の峰二つ
  • 6月20日:緑蔭や子とゐる母に蝶が来て
  • 6月19日:もろもろの骸うれしや蟻の夏
  • 6月18日:噴水やちちくり合ふは鳩と鳩
  • 6月17日:この家の主と薔薇と錦蛇
  • 6月16日:緑蔭に蝶とぶ昼餉いつまでも
  • 6月15日:色町の豆腐屋もまた水を打つ
  • 6月14日:夕立の乾きふたたび熱き墓
  • 6月13日:置物の如くに男お旅所に
  • 6月12日:青あらし折々人の高笑ひ
  • 6月11日:はつたいの湯気かすかなり四方に山
  • 6月10日:絡み合ひながら真夏へ真葛ども
  • 6月9日:深く澄んで清水のごとし石牡丹
  • 6月8日:サイダーを注ぎ分けてただ老いてゆく
  • 6月7日:海見ゆる窓にいくつも蝸牛
  • 6月6日:まづしげな氷河の絵ありソーダ水
  • 6月5日:二の腕の蠅こそばゆき昼寝かな
  • 6月4日:脚三つ持てる大きな扇風機
  • 6月3日:花屋の薔薇八百屋のバナナ大西日
  • 6月2日:押し来るや頭分厚き黄金虫
  • 6月1日:よき稚児や木魚大きく涼しげに

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