第4回稲畑汀子賞2026.6.19
法曹会館でおこなわれた伝統俳句協会主催の第4回稲畑汀子賞を紹介したいとおもう。

伊野部哲也さん。
名誉ある大きな賞をいただきまして、ありがとうございます。実はわたしは去年もこの祝賀会に参加をしておりました。第三回稲畑汀子賞の受賞者がわたしが所属しておりました俳句会の前の主宰の橋田憲明先生で、『橋田憲明句集』で受賞されました。わたしが中央の俳句を勉強したいと、橋田先生にご相談したところ「じゃあ、うんと厳しい先生を紹介しよう」ということで紹介されたのが、「山茶花」の三村純也先生でした。そのお二方が去年の汀子賞の受賞者でした。両先生の写真をパシャパシャ撮ってその雰囲気を無邪気に楽しんでおりました。その一年後にこんな名誉なことが起こるなんて思ってもおりませんでした。自分がここにいることが本当かなっておもうくらいにありがたさを感じております。句集につきましては、三村純也先生が、「句集はださんとあかんよ」つねにおっしゃっておられました。わたしが入会をしたのが、平成23年でした。その時から今までご指導をいただいているわけなんですけどずっと「句集を出したらいいよ」とおっしゃっていただいて、句集の準備をいろいろとしておりましたところ、丁度コロナウイルスが蔓延をしまして、世の中の価値観が一気にかわってしまい、私自身も句集への意欲が一気にそがれてしまいました。コロナウイルスも下火になって、橋田憲明先生が、70年ぶり、の句集を出そうという話が持ち上がって、70年ぶりとは凄いですが、その句集が出来上がって汀子賞を受賞したわけです。わたしの師であります橋田先生が句集を世に出され、立派な賞をいただいたわけです、わたしもせっかく俳句をやる以上は句集をまとめたいと思いまして、出版社の「文學の森」に相談をいたし、序文は三村純也先生に、帯文は橋田憲明先生に書いていただき、「文學の森」の担当者である青木さんにはいろいろと話をきいていただきました。今年3月に無事に句集が完成いたし、今日の日を迎えているわけでございます。句集をつくるのにいろんな方にお手伝いをいただきました。そういう方々にこの場をかりて御礼をもうしあげたいと思います.最後に、去年この祝賀会で、憲明先生がご挨拶でおっしゃって言葉があります。「一所懸命にやってきて良かったと思います]」と。わたしもこの言葉をお借りして「一所懸命にやってきて良かった」と、そしてわたしの句集のタイトルが「永永無窮」なんですけど、この句集名のとおり長くやっていきたいと思っております。

このたびは、第4回稲畑汀子賞という大変栄誉ある賞を賜り、深く感謝しております。選考に携わってくださった皆様、また日頃よりご指導、ご支援をいただいている皆様に、この場をお借りして心より御礼申し上げます。受賞作『残影』は、私にとって第三句集にあたります。第二句集『金色』から五年、より良い作品を目指して技術や感性を磨きながら句作に取り組んでまいりました。本句集では、それに加えて自分が本当に表現したいものに向き合い、過ぎ去った時間や日々の翳りを見つめながら一冊にまとめました。俳句を作ることは大きな喜びですが、作品を世に問う以上、自らの実力を示すためではなく、本当に心の動いたものを誠実に詠み、その感動や発見を読者と分かち合いたいという思いを大切にしたいと考えています。この受賞を大きな励みとしながら、これからも真摯に自分自身と向き合い、さらなる俳句の境地を求めて研鑽を重ね、次の一冊へ向けて歩んでまいります。

本日はこのような栄えある賞をいただけるとは思っておりませんでした。選考委員の皆さま、ご指導をいただいている星野高士先生そして「玉藻」で一番お元気な星野椿先生、ありがとうございます。わたしは汀子先生には直接ご指導をいただく機会はなかったのですけれど、一番好きな句が汀子先生の「今日何も彼もなにもかも春らしく」。この句が本当に大好きなのです。やさしい気持ちになれます。おおらかな気持ちでないと小手先ではこういう句はできないと思います。汀子先生の本をめくっておりましたら、「未熟な人間には未熟な句しかできないという」虚子の言葉がかかれてありました。立派な人間をめざして一歩一歩進んでいこうと思っております。今日は本当にありがとうございました。

俳句の世界のおおきな大きな扉をあけて、40年以上稲畑汀子先生にご指導をいただきました。まずは汀子先生に御礼をもうしあげたいと思っております。そしてこのような大きな賞をいただけるとは生涯の宝物だと思っております。、実は句集をだすことは生涯ないと思っていたのですが、汀子先生がお亡くなりになってから二年経って、人生の宝物をさずかったというお礼に、また自身の記録という意味もふくめて、句集を出す決意をいたしました。事務局の方々にもお世話になりまして、初めての句集をだすことができました。皆さまのおかげであると、感謝しております。ありがとうございました。

この度は、ありがとうございました。わたしが、30句を目指しはじめたのは、汀子先生が30句をつくりなさい。たとえダメでもそれはあなたの力になるのだからというその一言をこころに、励んでてまいりました。「祇園祭」もわたしの目線で「令和の祇園」を詠んでみました。皆さまに深く感謝をもうしあげます。


右から安田豆作さん、吉井たくみさん、手前は、司会の井上泰至さん。

総合司会の井上泰至さん。

閉会は稲畑廣太郎さん。
(ふらんす堂「編集日記」2026/6/15より抜粋/Yamaoka Kimiko)
