《八月五日》この町の朝の片陰登庁す

「イングロリアス・バスターズ」という映画を見る。
昭和二十一年八月五日の虚子句日記は「桃花会。小諸山廬」。同じ日の句会に出した句が「仰げる子墓に上りて蟬とる子」「蟬をとる子の網白く上りたる」「蟬とるを見つゝ過ぎゆき顧みし」「石置けるばかりの墓のお盆かな」「蟬の竿杖ついて来る悪太郎」「一面に南瓜まとへる伏屋かな」など。虚子の写生句が並んだ様子は壮観というしかない。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 8月5日:この町の朝の片陰登庁す
  • 8月4日:日盛や土に影して軒簾
  • 8月3日:雲うすうす避暑の子どもら匙つかふ
  • 8月2日:終点の町や頭上の雲の峰
  • 8月1日:橋をゆく日除下げたる冷房車

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