《八月十三日》昼の蛾もゐて大いなる秋の蝶

お盆の法要のためお寺に行く。
昭和二十一年八月十三日の虚子句日記は「稽古会、第五日」。小諸虚子庵での連日の句会。「虹立ちし昨日は遠し鰯雲」に惹かれる。「虹」を見せておいて、下五は「鰯雲」。一見無造作に書かれたかのごとき句だが、一句の展開が見事だ。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 8月13日:昼の蛾もゐて大いなる秋の蝶
  • 8月12日:三日月のするどきところ雲に透け
  • 8月11日:桔梗の高々として旱かな
  • 8月10日:広々と硝子障子や秋の蝶
  • 8月9日:遠くしづかに法師蟬鉦叩
  • 8月8日:麺麭食うて頬ふくらます夜食かな
  • 8月7日:秋の日の香水はやや甘き香に
  • 8月6日:夕空の暗さを蠅の眼かな
  • 8月5日:この町の朝の片陰登庁す
  • 8月4日:日盛や土に影して軒簾
  • 8月3日:雲うすうす避暑の子どもら匙つかふ
  • 8月2日:終点の町や頭上の雲の峰
  • 8月1日:橋をゆく日除下げたる冷房車

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