《八月十六日》桔梗の咲く坂道も庭の中

「秋草」八月号の木村定生さんと対中いずみさんの特集を読む。いい句が多く、何句か売って欲しいと思う。企画した昭男主宰に感謝。
昭和二十二年八月十六日の虚子句日記は「「玉藻五句集」」。「五句集」は子規の頃から行われた郵送式の句会。「虹を見て思ひ出しつゝ消えにけり」「虹渡り来と言ひし人虹は消え」と詠む虚子。その年の四月に愛子が亡くなった。中七から下五にかけての主語の捩れに虚子の思いがにじむ。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 8月16日:桔梗の咲く坂道も庭の中
  • 8月15日:野分てふ言葉を知りて野分中
  • 8月14日:降りつのる雨に桔梗の花は八重
  • 8月13日:昼の蛾もゐて大いなる秋の蝶
  • 8月12日:三日月のするどきところ雲に透け
  • 8月11日:桔梗の高々として旱かな
  • 8月10日:広々と硝子障子や秋の蝶
  • 8月9日:遠くしづかに法師蟬鉦叩
  • 8月8日:麺麭食うて頬ふくらます夜食かな
  • 8月7日:秋の日の香水はやや甘き香に
  • 8月6日:夕空の暗さを蠅の眼かな
  • 8月5日:この町の朝の片陰登庁す
  • 8月4日:日盛や土に影して軒簾
  • 8月3日:雲うすうす避暑の子どもら匙つかふ
  • 8月2日:終点の町や頭上の雲の峰
  • 8月1日:橋をゆく日除下げたる冷房車

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