2025.9.19 処方薬その名は誰も知らぬ秋
2025.9.18 亡き首都のかほりを嗅ぎて野分あと
2025.9.17 古語辞典ひらけば栗のにほひかな
2025.9.16 事件簿に陽のあたる午後葡萄干す
2025.9.15 水澄むやねじ切り終へて昼の笛
2025.9.14 黒塗りの刷毛に月夜茸の匂ひ
2025.9.13 秋草や背の箔押しを斜に積む
2025.9.12 ひぐらしや染料煮立つ鄙の庭
2025.9.11 秋海棠インクの染みみたいな痛み
2025.9.10 コインランドリー秋の靴下だけ戻る
2025.9.9 花野より仮面はづして帰りけり
2025.9.8 図面からはみ出す丘の秋景色