2025.6.18 蜘蛛の囲の仮面は吊るしあるままに
2025.6.17 額縁を出でしごとくに桐の花
2025.6.16 くちなはと同じ日焼けの跡なりき
2025.6.15 素足して光のうらをすこし踏む
2025.6.14 雨音のとだえしのちの青き鷺
2025.6.13 腕のかたちをなぞりつつ蛇とゐる
2025.6.12 夢の背をきりりと裂いて干す浴衣
2025.6.11 失せものの香をたどるや夏座敷
2025.6.10 木苺や塔にささったままの鍵
2025.6.9 打ち水やあとさき湾る下駄のこゑ
2025.6.8 青蛙棲むとは粘土火のかたち
2025.6.7 蟻のこと書いてるだけで日が暮れる