2026.9.22 北欧風木目の卓に珈琲が来るまで増やすグラスの波紋
2026.9.21 「敬老の日だよ」と言ふを可哀想と思つてゐたのはいつまでだつたか
2026.9.20 汗の粒せなかに浮かぶ五十代 秋草揺らす白露ならば
2026.9.19 色ガラスの破片が荒く集められ陽炎のやうなナイチンゲール
2026.9.18 前世はドイツにゐたかと妄想す銀色の眼帯しふり向く母に
2026.9.17 浴室の衣類乾燥の熱風がほくそ笑むかのやうに頰撫づ
2026.9.16 とろい吾は静かな人で地味な人十割そばにつめたいとろろ
2026.9.15 火をつけぬまま湿りゆく心ありまた秋が来て水引赤い
2026.9.14 ボタン押しカップに落ちる水音を胃の底に落とすやうに聞きをり
2026.9.13 垂れこめてよみうりランドの観覧車下半分が根のやうに見ゆ
2026.9.12 歩行器のタイヤ持ち上げ渡りきる横断歩道 母との道行
2026.9.11 人が人をはこぶやさしさ残酷さ保育園からカートが三つ