2025.7.12 雷はたた雨追ひし果て己をも遣らひけれかも今朝蟬を聞く
2025.7.11 蟬遅き夏あづきなし未きより鳴きしきるなか生ひこし身には
2025.7.10 夏百日といへど夏にふさへるは晩夏三十日蟬鳴きしきる
2025.7.9 雨季長く夏短しよ目睫にたちまち盛夏たちまち晩夏
2025.7.8 夏なり夏真昼なり街なり行き違ふなり群衆その影
2025.7.7 雷電鳴りとどろくや名残り雲追ひ放ち未練雨逐ひ遣らふ
2025.7.6 青脳息づける共くらぐらとあをあをと戀ふ真夏のひかり
2025.7.5 天が下なべて水底あをあをと染まり噞喁ひわれら魚ひと
2025.7.4 夢に降る雨青しもよ脳さへ心肝さへ染みわたるまで
2025.7.3 目を覚まし目を閉づる間を降るのみか眠りの中もただ降りに降る
2025.7.2 あをあをと水降る中の水の人われら行き交ふ水の十字路
2025.7.1 水の星 水の国なるにつぽんの水の月なりあをあをと降る