2025.6.18 鈴遷舎の皐月いかにぞさみだれに書きなづみつつ鈴も鳴らさず
2025.6.17 敷島の大和心を君問ふか上がると見えてつづくさみだれ
2025.6.16 さみだれは昨日か去年より降りつづく雨ならずやも水垂れさ水垂れ
2025.6.15 悒さはもはら若さと思ひしに老い極まりていよよ悒き
2025.6.14 皐月雨乱れさ乱れ日ねもすを水垂るる軒端見つつ悒き
2025.6.13 卯月野のいつより皐月野となりし繁りか野末雨呼ぶらしき
2025.6.12 正岡升と名乗り子規と宣るさびしき果てのはげしきいのち
2025.6.11 古今集ののしるこゑの声裏にふと聞き止むるさびしさかそも
2025.6.10 吐息そを勿蔑みそ吐息より成る歌の集勿嘲みそよ
2025.6.9 虚しさにあと洩しけむ吐息より歌興りしか歌は吐息か
2025.6.8 代代の父母ひとりひとりに一生あり一生さびしくむなしかりけむ
2025.6.7 その舳その舟や雨ふる海の潮の八百合凌ぎこし果て