『高畑浩平句集』(たかはたこうへいくしゅう)。
A六判(文庫本サイズ)グラシン巻きソフトカバー装。 176頁 5句組
高畑浩平さんは、昭和12年(1937)生まれ。昭和56年「雲母」に入会し飯田龍太に師事。その後「白露」を経て「郭公」創刊同人、「郭公賞」の選者をされるなど重鎮である。平成12年(2000)に第46回「角川俳句賞」を受賞されている。本句集は、既刊句集『雲』『水』
『風』より精選した作品に新句集『樹』を加えたものである。『雲』『水』よりは書く100句、『風』より200句、『樹』400句と全部で800句の収録となり、高畑浩平のいわゆる精選俳句集成とも呼ぶべきものである。文庫本サイズの軽装版であることが、その多くの収録句数にもかかわらず大変読みやすいものとなっている。
本句集の装釘は君嶋真理子さん。
前句集『風』に響き合うように、というのが高畑浩平さんのご希望だった。
グラシンという薄紙をまいているのですこし霞がかかったようになっているが、それも悪くない。
カバーをとった表紙。
見返しは淡いブルー
扉。
小さな一冊であるが、グラシンを巻くことによって瀟洒で格のある本が出来上がった。
飯田龍太を敬慕しその師系につらなる俳人・高畑浩平の清澄な作品集である。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/5/15より抜粋/Yamaoka Kimiko)