北大路翼句集『時の瘡蓋』(ときのかさぶた)。
四六判ソフトカバー装。 200頁
前句集『天使の涎』(邑書林刊)で、第7回田中裕明賞を受賞した北大路翼(きたおおじ・つばさ)さんの第2句集となる。『天使の涎』以降の2015年から2016年の二年間の作品を収録。一頁10句組で200頁ほどの句集であるからその収録句数の多さは推して知るべしである。多作な作家なのだ。
カバーを飾るインパクトのある装画は、柏原晋平。若き実力派アーティストである。京都・本能寺への襖絵を大胆な日本画で描き、その奉納のドキュメンタリーをわたしは見たことがある。
帯に言葉を寄せられたのは、二村ヒトシ。AV監督にして実業家とある。
本書の装丁は和兎さん。
北大路さんの希望のピンクを強調したものとなった。
表紙もショッキングピンクで。
見返しも同じショッキングピンクとしたいところだが、これは北大路さんのご希望で、大人しく。
ここにサインをされるということゆえに。
写真と散文が効果的に用いられて、ここにもまた北大路翼の才能のきらめきがある。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/5/13より抜粋/Yamaoka Kimiko)