福井芳野句集『秋薔薇』(あきそうび)。
六判ソフトカバー。二句組 206ページ。
著者の福井芳野(ふくい・よしの)さんは、昭和19年(1944)生まれ、東京小平市在住。平成3年(1991)に俳誌「未来図」(鍵和田秞子主宰)によって俳句をはじめ熱心に句作に励まれたが、ご家族やご自身のご病気もあって一時中断されることになる。その後お身体が回復されるのを待って再び俳句をはじめられたのである。10年の休養期間を経て俳句を再開した福井芳野さんは、平成26年(2014)に「未来図」同人となられ、こうして第1句集『秋薔薇』を上梓されるに至ったのである。本句集には序句を鍵和田秞子主宰、跋文を編集長の守屋明俊さんが寄せている。
秋薔薇母娘の声のそつくりに
娘と孫娘を詠んだものですが、これは息子と孫息子にもあてはまり、声を聞き違えることがしばしばです。私も母の声とよく間違われましたので、今、同じことを経験していることになり、年月の流れを感じずにはおられません。心優しい子供や孫たちの声をこれから先も長く聞いていたいという思いから、また子供たち家族の幸せを願い、「秋薔薇」を句集名としました。
「あとがき」の言葉である。
本句集の装幀は君嶋真理子さん。
すばらしくエレガントな仕上がりとなった。
横にストライプの入った光沢のある用紙を用い、集名は金箔を押した。
見返しはやや淡いピンクのマーブル模様が入ったもの。(この写真だといささか暗い)
扉。
裏側にも薔薇を配した。
薔薇の持つ優美さに満ちた句集が出来上がった。
福井芳野さんは大満足をして下さった。
(ふらんす堂「
編集日記」2016/7/20より抜粋/Yamaoka Kimiko