
《六月十四日》雨音のとだえしのちの青き鷺
──名前の文字は、特に重い。あなたが火にくべたあの日記、いちばん重かったのは冒頭の名前でした。
彼女は焦げた表紙の手ざわりを、なぜだか急に思い出した。忘れるって、覚えておくよりもずっと難しいことだ。
無断転載・複製禁止
──名前の文字は、特に重い。あなたが火にくべたあの日記、いちばん重かったのは冒頭の名前でした。
彼女は焦げた表紙の手ざわりを、なぜだか急に思い出した。忘れるって、覚えておくよりもずっと難しいことだ。
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