《十月十七日》手を垂れて菊人形の驚ける

大学時代の語学クラスの同期会に出席。
昭和九年十月十七日の虚子句日記は「芦屋、長谷川氏茸山、山茶花大会吟行」とあり、「しめりたる茸山に入る草履かな」「茸山を下りの道の萩の花」。「草履」の句の何でもない詠みぶりに惹かれる。「茸山」と「萩の花」との季重なりもいい。

著者略歴

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生。著書に『文豪と俳句』『露月百句』、編著『室生犀星俳句集』『新編
虚子自伝』など。岩手日報・山陽新聞俳壇選者、角川俳句賞選考委員。

 

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バックナンバー

  • 10月17日:手を垂れて菊人形の驚ける
  • 10月16日:ころがつてゐる冬瓜の暮れにけり
  • 10月15日:宿直のすこしのむ酒きりぎりす
  • 10月14日:カンナ咲くこの寺塀も門もなく
  • 10月13日:北京秋天焼売売りの周さんに
  • 10月12日:町外れなるアパートの秋簾
  • 10月11日:掛稲の風上にゐて風つよし
  • 10月10日:帽に風運動会の歌チャチャチャ
  • 10月9日:月に旗垂れて運動会前夜
  • 10月8日:首すこし長くて亀や水の秋
  • 10月7日:秋の日や飛行機見えて人歩く
  • 10月6日:浮かぶ葉に寄るあめんぼや秋旱
  • 10月5日:出港や手にとるやうに秋の雲
  • 10月4日:海の辺や青き芝生に赤蜻蛉
  • 10月3日:王冠に似て荒涼と秋薊
  • 10月2日:糸瓜見て勉強部屋に暮らしけり
  • 10月1日:ふりかけをかけて夜食や警備員

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ふらんす堂編集日記