佐怒賀正美句集『無二』(むに)。

四六判クータ-バインディング製本 170頁
俳人・佐怒賀正美(さぬか・まさみ)氏の第7句集となる。佐怒賀氏(1956年茨城県生まれ)は、現在「秋」主宰であり、「天為」特別同人。現代俳句協会副幹事長をはじめ俳句関係の役職をいろいろとされている。もとは大手出版社の編集者であり、辞書の編纂などを長く携わってきたが、早期退職をしていまは俳句活動に専念しておられる。大学でも客員教授として「俳句創作講座」で指導されている。
本句集は、2014年から2018年までの4年間の作品を収録。2015年と2018年にそれぞれ3週間ほどの海外クルーズに俳句講師として参加、その作品も収録されている。この時の経験を「それまでよりも一回り大きな時空の中に自分自身を置いて考えるようにもなった。」と「あとがき」で記している。
本句集の装幀は和兎さん。
和兎さんは本句集を読んで、手帖のようなイメージにしたいと思ったのだそうだ。
手に馴染む手帖。

造本がクータ-バインディング製本のためなのか、とても開きやすく、やわらかく読みやすい一書となった。

世界地図を配して、タイトルの「無二」は箔押し。この箔は黒ではないのだ、かぎりなく黒に近い茶。それも和兎さんのこだわりである。


見返しは羊皮紙。

表紙にも地図。

扉。

扉にもうっすらと地図。

クーターの色は茶。
カバーのラインと同じ色である。


シンプルにしてスマートな仕上がりである。
(ふらんす堂「編集日記」2018/11/7より抜粋/Yamaoka Kimiko)