藺草慶子句集『雪日(せつじつ)』
四六判ハードカバー装帯あり 214頁 二句組 令和俳句叢書 初句索引 季語索引付き
俳人・
藺草慶子(いぐさ・けいこ)さんの第5句集となる。
前句集『櫻翳』では、星野立子賞を受賞しておられる。
「『雪日』は私の第五句集である。主に平成二十七年から令和六年までの三三八句を収める。」と「あとがき」にある。
平成27年(2015)から令和6年(2024)ということであれば、ちょうど10年間の句集である。この間、著者の藺草慶子さんは、師・斎藤夏風を失い、父を失い、敬愛する先輩俳人の黒田杏子を失った。本句集は、日本の伝統行事に取材しつつそれらを闊達に詠む一方、亡き人を追悼する句集ともなった。生き生きと作句の現場を活写する俳句にわたしたちは驚きつつ、一方愛する人たちとの別れなど生死の陰翳が詠まれた俳句にも心うたれる、そんな奥行のある句集である。
本句集の装釘は和兎さん。
ラフイメージのなかに、小村雪岱の雪景色のものをいれたら、藺草慶子さんが気に入られたのだった。
そして、それにすこし藺草さんのご希望を取り入れながらのものとなった。
「装画の細かい色味、クロスの色の微妙な違い、花布の色、スピンの色、全てを悩み抜かれご自身で決められました。」と担当のPさん。
原画よりもすこし雪を濃くしました。
見返しはキラキラと雪が降っているような。。
淡いグレーの表紙。
いろいろと手にとってこれに決められた。
扉。
花布も栞紐も白。
(ふらんす堂「編集日記」2024/11/27より抜粋/Yamaoka Kimiko)