A5判変型ソフトカバー装。 148頁
著者の小笠原眞さんは、1956年青森県十和田市生まれ、十和田市在住の詩人である。本詩集は第5詩集となる。
第2詩集『あいうえお氏ノ徘徊』(2002年刊)では、第24回青森県詩人連盟賞を受賞、
第4詩集『極楽とんぼのバラード』(2008年刊)では、十和田市文化奨励賞を受賞、
詩人論『詩人のポケット』(2014年刊)では、青森県文芸賞を受賞、本書は朝日新聞紙上の読書欄の「著者に会いたい」で紹介され、わたしもはじめて詩人のお顔を拝見したのであった。小笠原さんは、耳鼻咽喉科のお医者さまでもある。詩の作品には医師としての体験から生み出されたものもあるが、それのみならず多くは生活を基板にして書かれたものだ。
本詩集の装釘は君嶋真理子さん。
なんと、小笠原眞さんのふらんす堂より刊行された是までの詩集4冊と詩論1冊すべてが君嶋さんの装釘である。
今度の装画は、なぜか猿。
担当の文己さんが、「小笠原さん、申年生まれなんだそうです」ということ。
そうか、小笠原さんは今年60歳の還暦を迎えられ、今年は申年、年男でもある。
記念すべき年であり、猿なのだ。
表紙にも猿がいる。
人間が生きて行くことの悲しいまでの切なさをいささかのユーモアをこめて詩の作品に昇華させるのが、小笠原眞さんである。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/4/28より抜粋/Yamaoka Kimiko)