栗木京子歌集『南の窓から』―短歌日記2016。
四六判変型ハードカバー装。 388頁
歌人・栗木京子(くりき・きょうこ)の九番目の歌集となる。
2016年にふらんす堂のホームページの連載「短歌日記」を一冊にしたもの。
全部で366首を収録、それぞれの短歌に日記のかたちで短文がある。
装丁は和兎さん。
著者の希望はブルーの本であること、鳥が飛んでいること、だった。
宝石箱のような一冊。
出来上がった本を手にしてわたしは思ったのだった。
白い鳥をちりばめて、ところどころに光っている鳥がいる。
カバーをとった表紙。
花布もスピンも白。
角背が美しい。
このブルーの色は、じつはティファニー・ブルーである。そしてティファニー・ブルーは、駒鳥の卵の色であり、さらにそれは冬の空の色であると、11月14日の日記に記されている。
南に向いた窓から鳥たちは冬の空へと飛び立っていくのだ。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/7/26より抜粋/Yamaoka Kimiko)