三澤英子句集『石楠花(しゃくなげ)』。
四六判ソフトカバー装。188頁。
遺句集である。略歴によれば、著者の三澤英子(みさわ・えいこ)さんは、昭和6年(1931)山梨県大月市生まれ。平成9年(1997)に俳句を始め、俳誌「白露」(広瀬直人主宰)に入会。その後いくつかの句会に入会して諸先輩の指導を受ける。平成24年(2012)に「白露」終刊を経て、平成25年(2013)に「郭公」に入会、井上康明に師事。平成28年(2016)に病気により逝去。享年85歳。
本句集は、著者の三澤英子さんの句集刊行への思いを、ご家族の方々の思いによって実現したものである。
石楠花の絵は、裕さんが描かれたもの。
本のデザインも裕さんのご希望を、ブックデザイナーの君嶋真理子さんが形にしたものである。
この扉絵も裕さんの手によるもの。
若き日のお母さまをイメージされて描かれたということである。
素敵なお母さまだったのですね。
出来上がりに、三澤裕さんはとても満足してくださった。
お母さまを亡くし時をおかずお父さまを亡くされたご子息の三宅裕さんにとって、おつらい時間であったと思うがこの句集上梓に向けて全力で向き合って下さったのだ。
カバーの表紙は、シンプルな白にこだわられた。
白い紙は「まさに白装束に相応しいです。」という裕さんの思いがあったのである。
ご家族に愛された三澤英子さんである。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/7/28より抜粋/Yamaoka Kimiko)