上野一孝句集『迅速』(じんそく)。
A5判ハードカバー装。160頁 二句組
上野一孝(うえの・いっこう)氏の第3句集である。
前句集『李白』(2008年刊)に次ぐものである。本句集は、2008年から2016年半ばまでの作品を収録し、全体をⅠからⅤまで5つのパートに分けてある。
冒頭のⅠには、まさしく人生の無常迅速を体驗したある二日閒に詠んだ九句を置いた。と著者が「あとがき」で語っているが、父を亡くし、その翌日には師・森澄雄を失うという苛烈な喪失体験をされている。本句集『迅速』はその大いなる喪失からの出発となった。
本句集の装丁は和兎さん。
装画は、上野さんの俳句仲間だった画家の故・須加三男(俳号・卉九男)さんの手によるもの。
表紙の裝畫は、いつか句集の表紙に使はせていただくといふお約束で、故・須加三男(俳号・卉九男)さんに描いていただき、長く書斎に掛けていた作品である。(あとがき)
表紙は真っ白なクロス。
青のメタル箔である。
角背。
製本屋さんのすすめもあって角背となった。
シャープでいい。
扉。
花切れは紺。
スピンは白。
(ふらんす堂「
編集日記」2017/9/19より抜粋/Yamaoka Kimiko)