津久井たかを句集『座右』(ざゆう)。
四六判ハードカバー装帯あり 216頁 2句組
著者の津久井たかを(つくい・たかお)さんは今年88歳となられる。その米寿を記念して上梓された句集である。昭和7年(1932)東京生まれ、現在は埼玉県所沢市にお住まいである。平成5年(1993)「雨上句会」および「椿句会」に入会し古川沛雨亭に師事、平成8年(1996)板橋区役所職員俳句部(木綿の会)入会、平成9年(1997)「雨上句会」同人、平成15年(2003)城北句会入会、都築智子に師事、平成17年(2005)都交友会(OB会)俳句部入会。本句集は、第1句集『風紋』(平成24年刊)に次ぐ第2句集であり、序句は都交友会俳句部の赤羽暁羽氏が、跋文は木綿の会の鈴木直允氏が寄せている。
装幀は君嶋真理子さん。
最初は津久井たかをさん、グラデーションをつかったものをというご希望だった。
君嶋さんがつくったいろいろなラフをご覧になられて、最初のご希望はかなり異なるものとなったのであるが、とても気に入ってくださったのだった。
タイトルは金箔押し。
落ち着いた色合いである。
表紙のクロスも渋い。
ややグレーがかってしまったがもう少し緑色がつよい。
日本の伝統色の色である。
花布は、緑と白のツートン。
栞紐は、チャコールグレー。
この丸背の美しさを見ていただきたい。
このカーブのなだらかさ。
職人さんの腕がいいのだ。
ほれぼれする。
ふらんす堂「編集日記」2020/3/2より抜粋/Yamaoka Kimiko