南仏紀行2021.3.27

 

片桐英彦詩集『南仏紀行』

 

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A5判ソフトカバー装グラシン卷 80頁  
詩人・片桐英彦さんの18冊目の詩集である。18冊のうち11冊はふらんす堂刊行の詩集である。
片桐英彦さんは、1942年佐賀県唐津市うまれ、今年79歳になられる。臨床医でおられ、長い医業のかたわらずっと詩を書いて来られた方である。詩誌「GAGA」同人。上梓された詩集のうち、詩集『物のかたち』で第36回福岡市文学賞を、詩集『ただ今診察中』で第46回福岡県詩人賞を受賞されている。

 

 

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本詩集の装丁は、和兎さん。
グラシン(薄紙)で巻かれているので、ぼけてしまうのが残念である。
タイトルは金箔押し。用紙は岩はだという表情のあるものを使用。
ちなみにグラシンをとってみると、

 

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たいへんはっきりする。
このようにパソコン上でみると、グラシン卷のものはぼんやりとしてしまう。はずすと鮮明である。
一見、外した方がより美しくみえるのだ。
だが、手にとったときこのグラシン卷のものの風合いはわかる。これはもう物としての本を体験するということにつきる。
グラシンは手でまかれる。そこにわたしは本をつくるための人間の手のしぐさをかぎりなく思う。薄紙とカバー紙のあいだにある空気感、それは一冊の本をとても優しい表情にさせる。
片桐さんの詩の作品とよく響き合う。

 

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表紙。

 

 

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見返しはあざやかに。

 

 

 

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扉。

 

 

 

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エレガントでかつ瀟洒に。

 

(ふらんす堂「編集日記」2021/3/23より抜粋/Yamaoka Kimiko)

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