堀かをる句集『風の譜(かぜのふ)』 。
四六判ハードカバー装帯なし 184頁 二句組
著者の堀かをるさんは、1937年東京生まれ、世田谷区在住。2000年俳誌「ra羅(ら)」(飯島ユキ代表)創刊に加わり入会、現在に至る。本句集は第1句集で、序文を飯島ユキ代表、栞を作家の太田治子さんが寄せている。また、お仲間の石塚秀雄氏による俳句の英訳も収録している。
本句集の装釘は、君嶋真理子さん。
ブックデザインをしてもらうにあたって、一つおねがいされていたことがあった。
それは、成城凮月堂の包装紙を装釘に使用すること。というものである。
その包装紙は、飯島ユキ代表の序文によると、
「かをるさんのご子息である三代目社長の義父で日本画家、小泉淳作氏の画が使われ」たデザインであるということ。
包装紙と冊子「成城ものがたり」
この冊子作りには、かおるさんがおおいに関わられたということだ。
君嶋真理子さんが、色もおなじようにして美しく装釘をしてくれた。
タイトルは金箔。
表紙のクロスもピンクに。
見返しは金銀の箔を散らしたもの。
扉。
口絵の著者像。
画家、織田廣喜によるものである。
織田廣喜は生前、堀かをるさんと親交があった。
大分前になるが、わたしも織田廣喜をこの辺で見かけることがあった。
奥さまと手を組んで静かに散歩をされていた姿だった。
石塚秀雄さんによる英訳。全部で五句あるが、そのうちの一つ。
水仙の香りに埋みデスマスク
Sweet scent of Daffodils,
Decorate a death mask
Of my dear friend.
花布は金。
すびんはピンク。
(ふらんす堂「編集日記」2023/7/14より抜粋/Yamaoka Kimiko)